しがない内科医の雑念

底辺医がなんか語っとる

医者と患者の認識の違い

長く通院している人ならわかってるんだけど、病気したことない・病院なんて滅多に行かないという人(それが普通なんだが)がたまに来ると、おかしいと感じることが多いようで。

臨床能力はブランドや職位と相関する?
ブランド志向の高い人はそもそもが大学の教授宛ての紹介状を書いてもらったり有名病院に行くけど、なんのコネもツテも紹介状もなしに来て、え?下っ端ごときが私の相手するの?私の病気は簡単じゃないのよ、本当にあなたで大丈夫?って感じの人がいる。臨床能力の低い教授や、有名なだけで中(人材)はボロボロの病院・科はいくらでもあって、内情は同業者じゃないとわからないし、現実的には脂の乗った30〜40代の中堅医師が一番円滑に診療を進められることが多いのだが、それくらいは若手と見られやすい。60過ぎとかおじいちゃん先生の方が年寄りには信頼されやすいけど、いまだに30年以上前の医療をやっていることが多い(古い薬doばっか)。

初診時に診断がついて治療開始
これが当然と思っている人が多いけど、うちなんかは血液検査外注だし、総合病院でもちょっと特殊な検査は大抵外注で結果は後日でしょう。画像検査も当日できることは少ない。だから診断も後日なんだけど、慣れてない人は、これだけの設備と専門家がいるんだから当日病気が判明して当然(こっちは忙しいのに来てやったんだ)と思っている。
もちろん糖尿病とか高血圧とか高脂血症とかのわかりやすいのなら、いいんだけど。

予約しているのに待つのはおかしい
その気持ちはわかるが、逆の立場になると、いつもと違って手間のかかる対応が必要な人もいるし、急ぎの予約外は来るし、話の長い人もいるし(5分で話を切れない自分の未熟もあるが)、多数の人間の応対をしていると予定通りとはいかないものでしょう。
尚、自分は患者数が少ないし親切丁寧でもないので、あまり待たせない方だが、いわゆる"良い先生"ほどおせっかいで話が長くて、それでいて予約をたくさん入れるもんだから患者を待たせる。待った患者はその分話そうとするし、"良い先生"は外来が遅れてても気にしないし急がないから、さらに遅くなる。

また検査するの?
血液検査で異常所見→原因究明のための検査もしくは再検、とかやると「この前採血したばっかりだよ、またやるの?!」とか言うおじさんがいるけど、検査項目の違いとかはわからないし、単純に痛いの嫌だ・怖いから文句を言ったりする。本当の必要性はこちらしか分からないから、しょうがない。
あと検査1つで確定診断に至る病気ばかりでないからいろんな検査で診断してゆく、ってのもわからない。

#車の修理屋さんも、高いとか、本当に必要なの?っていう客が多いって言ってたから、情報の非対称性のある取引において常に発生する問題なんだろう