しがない内科医の雑念

底辺医がなんか語っとる

外科ってそんなもん

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20〜30年前に医者になった者からすると、普通の話である。外科はまだ変わってないんだなと。人気がない、地方で誰も外科に入らないのはこういうシステムだから。ようは人手不足から休めない、時間で区切って担当者を決めず何かあれば24時間執刀医が対応することになっているので完全フリーの時間がないということ。それに耐えられなければ外科を辞めるしかない(施設による)。
僕らの世代は、外科に入るということはプライベートは捨てることと理解しているので、外科入局者はすげーなーと思ってた。内科も主治医制はそれに近かったけど、それなりに人がいたことと(自分がいたところは)、外科ほど厳しい上下関係・封建制・保守的でないからオンコール当番とか当直医が看取りまで対応するようになり、ある程度プライベートを守れた。
よく知らないけど海外ではこんなに厳密な執刀医(主治医)制ってことはなさそう。日本でも救急科はどこでもほぼシフト制(担当医は時間で完全に変わる)になっているみたいだけど、そういう感じかと思う。それが合理的。日本の医療(以外もそうだが)にはまだまだ根性論(精神論)という思考停止がはびこっている。
とはいえ内科もおそらくほとんどの施設で完全シフト制まではいってないから、夕方の緊急入院だの時間外の家族説明だの当直だの輪番日だの、カンファレンスだの学会準備だのでぴったり9時5時というわけにはいかない。平均して9時〜19時くらい、夜間休日労働が月2回くらいか。自分はそれすら耐え難くなったので病院勤務をやめて診療所勤務で外来しかやらなくなった。
上の文章の先生は今は何をしているのだろう(調べてもない)。自分は合理的思考というよりも感覚的に「この施設ではもう無理、やる気がなくなった」と確信したのですぱっと辞めて若干のキャリア・専門も捨てて何の特技もないいち野良一般内科医になってストレスは激減した。同時に仕事はとてもつまらないものになった。ほぼ老人しか相手しないし。頭を使うような病気の診断・治療も滅多にない。けれども、続けられなくなっちゃったのだから、これは必然的変化である。
典型的外科でも普通にやってる人はたくさんいるし、一般的な内科の研修すら耐えられずフリーターになる医者もいっぱいいるので(そのせいで健診バイトが激減してるみたい?)、人それぞれ合ったところに落ち着くしかない。無理しても続かない。