しがない内科医の雑念

底辺医がなんか語っとる

最近20年の医療現場で変わったこと

自分の経験した範囲で。
私を若造と言わないで頂きたい、私を若いという諸先輩方はもうリタイア間近です(もしくは気付いてないか)。

明治生まれの患者がほぼ絶滅
被爆者手帳持ちが同上
精神科で電気けいれん療法をしなくなった
血圧上昇時アダラート舌下という指示がなくなった
サアミオン等脳循環改善薬、セルベックス等胃粘膜保護薬、硝酸剤、などがあまり使われなくなった
脳梗塞は全例グリセオール、でもなくなった
偏頭痛治療薬が色々出た
まともに効く抗がん剤が出てきた
内視鏡が見やすくなった
当直明けに帰れるようになった(朝か昼)
病院に長くいる医者が良い医者、という空気が薄まった
研修医が奴隷からお客さんになった
医局に属さなくても就職しやすくなった(都会のみ?)
薬屋さんの接待がなくなった
長期処方(60〜90日)が当たり前になった
オーベンの言うことよりググった結果
疾患概念と薬が増えて覚えきれなくなった(歳?)
紙の医学書がどんどん厚くなり、最終的にゴミになった(情報は電子化)
入院時、承諾書だらけになった
個人医師向けバイト斡旋の普及

 

変わらないこと
給料・バイト代

30年間、給与と物価が上がらない唯一の先進国、日本。
医者の給料が上がらないってことは、医者は相対的に貧しくなったと思ってたけど、単純に日本全体がず〜っと変わらないままだったということで、日本国内としてはいいけど世界的には日本全体が置いてけぼりということで、海外旅行や外国製品を買う時には貧しくなったと感じるかもしれない。

医療についても、保守的な年寄りの意見が支配的な日本では全てが変りにくいけど、さすがに若い人からの突き上げと、外国崇拝(西洋コンプレックス)で効率的かつ風通しが良くなりつつある、気はする。でも海外と比べたら、まだまだでしょう。中韓の方がまだ世界標準に近そう(表向きは)。日本は底辺先進国っていう意識からやり直した方がいいかもしれない。そんな国で医者をやるのは物好きか。