しがない内科医の雑念

底辺医がなんか語っとる

クビにする教授が正しい

自分のいた医局じゃなくて、内科の他の医局の話。
若干の患者のやりとりもあるし、OB会報なんかで顔ぶれを見ると、自分の研修医時代のオーベンらがまだほとんど、変わらずそのままいる。そこは教授が内部(出身大学)から決まったので、連れてくるような人もなくて人事は刷新されず、20年も仲良し?な、知った仲間同士で仕事をするのは楽しそうだけど、実は困るのは下。上が詰まってるから、どんなに頑張っても講師にもなれず、外に出る他ない。有名施設で修行してきたごく少数(1人か2人)のみが空きポストに入って、最新の治療を始めたり、次期教授選も狙える。他の幹部はみんな60がらみの万年講師やら准教授で、大学が無理やり増やしたポストにしがみついて同じような仕事を続けている。それで論文なんかが出てりゃいいけど、やっぱりそういうところからは全然出ないんだよね。臨床上のしきたりにだけはうるさくなってくるけど、それはひたすら主観的で(他施設のやり方を知ってる人がいない)、いいか悪いかもわからない。停滞。
一方普通は選挙を勝ち抜いたやる気バリバリの新教授が来ると、残ってた年寄り連中は全員クビで、代わりに臨床と研究をうまいことこなせる器用な中堅を連れてくる。医局に元からいた医者でも若くて使えそうなやつは、その中堅のもとで研究して国際学会に行ったり学位取ったりして、そういう活気のある医局は学生もわかるから、人気になる。
医局員や近い関係者からすると、よくわからない教授が来るよりは性格とかよく知ってる内部の先生が教授になってくれる方が安心だけど長い目で見ると、そういうことばかりしていると近親婚を繰り返した王族のように、医局は衰退してゆくだろう。
もちろん、IF以外に取り柄のない教授(臨床できない・性格悪い)が来ちゃうこともあって、でもそういう場合は本人も少しは自覚があって、元からいた医者を一掃せず臨床能力の高そうな一部は残しておいたりもするけど、俺の研究が中心!ってやっちゃうと、地域のその科の疾患の診療機能が低下することもある。
やはり10年に一度くらいの、教授が変わる時は人事が刷新される良い機会(医局員の辞め時でもある)で、それをしないと科全体が停滞する。