しがない内科医の雑念

底辺医がなんか語っとる

ワクチン拒否の覚悟があるか

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コロナワクチンを接種するかどうかは自由で個人の希望次第。(画像によると)アメリカでは約3割の人が(今のところ)希望しないようで、これはおそらく日本より多いけど、それはアメリカ人が自由気ままで陰謀論を信じる人が多く、日本人は従順で付和雷同だから、なのかどうかはわからない。
ワクチンには2つの目的があり、接種した“個人“が罹らないようにするためと、集団免疫をつけることで“社会“における感染の流行を止めること。ワクチンの効果はおそらくある。だから世界中で使用されている。数ヶ月から年単位経過後の副作用(例えば抗体依存性免疫増強 Antibody-Dependent Enhancement:ADE)については否定できないけど、可能性としては低いと思われる。陰謀論の人は、そういうことではなくもっと荒唐無稽な推測からワクチンを拒否している。どのような理由でワクチン接種を拒否してもそれは自由だけど、
1 個人レベル:コロナに罹患して中等症〜重症になったら医療を受けるのか。ワクチンを打たなかったためにコロナに罹患して医療の逼迫を悪化させることを認めるか
2 社会レベル:多くの人がワクチン接種に協力することで集団免疫ができてコロナの流行が収まり社会が回復した場合、自分は協力しなかったのに回復した社会の恩恵は受けるのか(フリーライダー
3 ワクチン不信原理主義:ワクチンは無効もしくは悪影響のみがあり、コロナにかかるかどうか、流行が収まるかどうかにワクチンには関係ないと考えるのか

1、予防や注意を怠り病気なって医療を利用するのも個人の権利や自由、とは言えない──医療費は全額自費かつ病床逼迫の際には他人に譲るなら、この限りではない。
2、ワクチンを拒否することで社会に対し不義理をする覚悟があるのか──コロナ終息後も社会と距離を置いて暮らし続けるなら、この限りではない。
3は妄想なので論外。

ワクチン拒否とは、国の推奨に反して自分の意思でワクチン有害論に賭けること。その大穴狙いが外れると(もちろんその確率が高い)、自分の損はもちろん他の誰かにも迷惑をかける可能性がある。その覚悟があるならそうすればいい。自分を含む大多数の国民にはその覚悟がないので、自己決定権を放棄し国のお勧め通りにする。つまり判断は国に任せ、国の責任にすることで、自分の責任を回避する。ワクチン接種者はそのように無難な凡人ではあるが、高率に感染を免れ、回復した社会を楽しみ、さらにワクチン拒否者を侮蔑する権利を得る。