しがない内科医の雑念

底辺医がなんか語っとる

控え目な真実

トンデモ学者ほど目立ちたがる。専門でもないのに(浅い根拠で)自信満々に(参考:ダニング=クルーガー効果)断言するから、わかりやすく印象的。そういうのがたくさんいると、一般人はそれが正しい医学的考えで、政府やら自治体のワクチン推奨を経済的理由(国がたくさんワクチンを買ってしまったから)とか陰謀論と勘違いしやすい。専門が違っても、普通の医者は素人よりは確実に医学的情報に親和性があり、理解が深く、業界の一般的な考え方(たいてい、大きく間違えない)をわかっているから、ワクチンを打った人が死にやすいとかの情報に騙されにくい(2022-03-19、新型コロナワクチンを打つべきか)。
それでも我々医者は、かつてみのもんたの情報番組に連敗したように、テレビタレントやインチキ学者と同じ土俵で戦わされ、負ける(信用されない)ことも多い。整形外科の先生は、ずっとあはき及び柔整師と戦ってきたことであろう。(マッサージ同意書を書きたくない理由についてはまたこんど)
素人の多くは、テレビや雑誌や近所の人の無責任情報も尾身先生や忽那先生など超専門家の意見も目の前の医者の話も平等な一票として受け取って判断する。さらに、マトモで真面目な医(学)者ほど、正しい表現をしようとするので断言しない、わからないことはわからない言う。それが曖昧でわかってないと思われやすい(わかっている人ほど、言い方が慎重)。でしゃばらないから伝わりにくい。医者以外で、医学情報の信頼性の重みづけができる人、「うそはうそであると見抜ける人」、(某Youtube風に言えば)トラストリテラシーが高い人は少ない。当然だろう。我々医者も今後の経済動向について、もしくは誰の経済予想を信じて良いのか、わからない。近々大暴落するのか、利上げでしばらく株価が上がらないだけなのか、それでもひたすら米国株(インデックス)をホールドしとけばいいのか?
ただ医学は科学なので、経済予想よりもずっと確実で、そうそう裏切らない。コロナワクチンで重症化を防げた人よりもその副反応で亡くなる人の方が多いってこともないし、ワクチン接種者が今後免疫不全や癌でバタバタ死ぬこともおそらく絶対ないと言える。医者でなくとも賢い人はそういうことがわかるし、わからない人は残念としか言えない。