しがない内科医の雑念

底辺医がなんか語っとる

ミニマル労働

10年以上医者やってれば、それなりにできること、わかること、すなわち専門プラスアルファがあって(ない医者は健診バイトしかないか)、そういうのを主張したくなるけれども、そこで主張したら負けかと思う。できる人には余計な仕事がまわってくる。すなわち副次的な検査とか読影とか外来とか、委員会とか会議とか。そういうのをやることで確実に労働時間・量は増えるけれども、給料が増えることはまずない。つまり余計な仕事をしたくないなら常に、私は最低限の仕事しかできませんよ〜という顔をしてなければならぬ。マイナー科の医師はいいね、普通に知らない・できないって言い訳できるし、逆に専門分野は特殊過ぎて、うまかろうが下手だろうが、他科からは見えない。
これは全然ずるいことじゃない。逆に、できるできるっていう主張したくて、色々やりたくてしょうがない医者は多いから、そういう人に任せればいい。
自分みたいに、それほど給料が高くなくてもいいから最低限の仕事をして定時でぴったり帰りたい(余計に働いたら負け)、あんまりあれこれ指図されるのは嫌だけど一目置かれなくてもいい、という医者はどうか。大学や大病院、そういうところを離れると、こういうタイプも多そう。ただ、常に「あんまりできないやつ」と思われ、他の医者と判断が異なった場合には大抵無視されてしまうのは、ミニマル労働のためのコストと考えるしかない。