しがない内科医の雑念

底辺医がなんか語っとる

“無職なのに忙しい老人“の気持ちがわかった日

70過ぎ、80過ぎでも次の外来予約でその日は用事がとか、そんなにしょっちゅう病院来れないとかいう人がいる。とっくにリタイヤしてるのに忙しいって、何してるんだろう?
いや働いてる人もいる。自分は70になっても働きたくないですよ~、と言うと生活のためだという。タクシーやら大工やら。至極真っ当な回答でこちらが馬鹿に思えてくる。
問題は働いてないのに忙しい人で、町内の役をやってるとか、家の片付けとか、色々言うけど自分にはよくわからない。その歳で忙しいような事ならやめればいいし、数年間、家の片付けを続けている人がいて、あと数年はかかるからそれまで死なないようにしてくれと言われたが、完全に趣味ないし自己満足だろうと。
こっちは働いてるから忙しいんだ、と言いたいけどそうでもない。自分は一応フルタイムの勤務医だけど、相当、労働時間は短い。ワーカホリックの多い医者の間では、自分ほど働かないのは珍しいと思っている。
平日休みの日に雑用をすることにした。ちょっと買い物をして、各種資料やらPCのデータ整理やら何やらしてたらあっという間に1日が終わった。成果は不満足、思ったより何もできない。わかっちゃいるけど、一日なんてそんなもん、短い。
あ、これかと。何をしたわけでもない、それこそ一言で言えば家の片付けみたいなことをしているうちに1日が終わった。そうか、年寄りはこんな感じに、自己満足的な非生産的作業を高齢ゆえの非効率的にやっているうちに時間ばかりが過ぎてゆくのだ。そして一歩一歩、チーンに近づいてゆく。