しがない内科医の雑念

底辺医がなんか語っとる

講演で聞きたくないこと

大小さまざまな学会やら研究会がリモートだかオンラインになって、特に平日夜の研究会なんかは参加(視聴)しやすくなって良かった。唯一、講演後に懇親会で演者らと直接話せなくなったのは残念。そういう意図がなければ全然問題ない。立食も飽きるか、食べ過ぎる。

学会については、仕事を休んで地方に行くというメリットが損なわれるのは残念だが、大抵は(閑散かもしれないが)現地開催もしているから、行きたきゃ行けばいい。もしくは家や職場で動画を流しておくだけで専門医更新ポイントを稼げるのも良い。ただし厳しいポイント制のところ、例えば産業医なんかはオンライン視聴が代替しない。まぁそんなもんだろう。とはいえ、コロナのおかげでいろんな無駄が見直されたのは不幸中の幸いというか怪我の功名というか。

Zoomなんかだと、自分の端末のマイクやカメラがONになってて映っちゃうという事故もあったりして面白い。もしくはわざとか。

ところで表題の件。以前から思っていたこと。

 

「恒例ですのでご略歴を」

恒例???個人的には、最初にこの人はどういう人なのか紹介してくれるのは有難い。特に出身大学がわかると、なんとなくどういうタイプかわかった気になるけど、これは自分が低学歴ゆえの下衆の勘繰りなのか。所属施設と地位がわかればいいか。とはいえ、所属学会とか褒賞(受賞歴)を延々と紹介されても。

 

「過分なご紹介を賜り」

って略歴は基本、自分が提出したのを読んでるだけなんだが。

 

「このような発表の機会を与えて下さった」「ご質問をありがとうございます」

発表したくてしたくてしょうがなかったのか?そういう人もいるけどね。質問に礼を言うのもなぁ、している方はただ聞きたいから聞いてるだけで、あんたの発表を補足するためじゃないから別に感謝される筋合いはないっていう気も。

 

「ビジーなスライドで恐縮です」

わかってるならなんとかしとけよ! とはいえ、自分もそういうスライドにしちゃうことはある。あなた方は細かい文字を読む必要はない。ただ、いろんなこと・ものがありますよっていう複雑感、雰囲気が伝わればいいでしょ。あと、自分が商品(薬品)名を忘れちゃうことが多いけど、スライドに書いてあればその場で読めるじゃない。

 

「釈迦に説法ではありますが」

釈迦まで言われると馬鹿にしてんのかって感じも。専門家(例えば並んだ教授陣)相手に話しづらいのはわかるけど、ここまであからさまに謙(へりくだ)るのはくどい印象。周知の内容ならさらりと流せばいいだけ。

 

っていうのは表面的なことで、それこそ恒例の文言だからいいんだけど、本当に残念なのは、研究会といっても各大学の教授が、メーカーの作った宣伝的スライドをそのまま紹介するだけの発表が多いこと。講演料(と座長料)を貰って薬の宣伝をしているだけじゃないか、そんな教授の小遣い(というには相当な額だったりhttps://db.wasedachronicle.org)稼ぎに付き合わされる方はたまらない。欧米じゃずっと前からそれが当たり前だった、それが日本でも一般的になってきただけなんだっていうけどね。