しがない内科医の雑念

底辺医がなんか語っとる

塩梅が難しい

例1)便潜血陽性です、大腸内視鏡検査をお勧めします
→やりたくない、来年の検診でも陽性だったらやるよ
→いや大腸がん検診で引っかかっているのです。大腸がんだったら1年で進行してしまいます
→がんなんですか?!(以後焦ってしまい話を聞かない)

例2)胃カメラで生検しましたので、こんど結果を聞きに来てください
→忙しいからもう来れない
→まずないとは思いますが悪性の可能性もありますので
→がんなんですか?!(以後焦ってしまい話を聞かない)
→いや多分違うと思いますが…
→(2週間後)組織は、ただの炎症でした。癌じゃないです
→がんかと思って生きた心地がしなかったです
→(多分違うって言ったじゃん)

無症状だから病院なんて行きたくない、というのは正当なんだけど、こちらとしても認識した一定以上のリスクには対処せねばならず、ほとんどはお互いに徒労なんだけど、稀に本物の病気も隠れているので、上記のように対応すると最悪のシナリオを想定する人が多い(多くは中高年男性)。
グレーゾーンくらいに認識してくれるように説明する必要があり、それができないのは未熟といえばそれまでなんだけど、白黒2値しか受け取らない人が結構いる気がする。