しがない内科医の雑念

底辺医がなんか語っとる

定番患者さんと定番フレーズ

「一番軽い薬をもらってます」
自分の病気は軽い、と言いたいのだろう。本当のところは病気を認めたくない。なぜなら自分には病気になる合理的な理由(遺伝、飲酒喫煙暴飲暴食その他悪事)がないから。
こちらも、軽い薬から始めましょう、なんて治療開始してしまうのだけれども。

「白い玉の薬」
クスリって、8割方それです。

「そのクリニックは薬をもらってるだけ」
だからそこで検査はしません。調子が悪いのでこちらに来ました。などと初診外来でしれっと言う人がいて、当初はdo薬局としか認識されてないそのクリニックに同情したが、次第に、簡単でいいなーと羨ましくなった。

(かかりつけクリニックの名前を覚えてない)
数年通ってる近所のクリニックでもそういうことがある。名前+クリニック/医院の方が覚えられやすくて、地名・駅名+診療科名+クリニック/医院っていうのはありがちすぎて印象に残らない。

「内臓からくるブツブツ・かゆみですか?」
年寄りはよくそういうことを言うけど、非常に稀でしょう。検査するだけ無駄なので適当に流す。かぶれや、原因がはっきりしない一過性の湿疹みたいなのが多いかと。

「まだ糖尿病とは言われてない」
データ見るとほとんどの場合、もう糖尿病です。主治医は本当に言ってないのか?糖尿病は相当に認めたくないことのようで。

「糖尿病が心配になって来ました」
そういう人はまず糖尿病じゃない。毎年健診しててHbA1cも低い。テレビや知人に脅されたんだろう。

「ちょっと前にここで出してもらった薬をまたください」
で延々カルテをめくると、2〜3年前ってことはZARA。そろそろ検査しましょう、Xカ月/1年経つので→「もうそんなに経ちますか」 年寄りの時間経過は速いのか遅いのか。

(自分の病名を知らない)
ちゃんと診断ついてない・説明してもらってない場合、自分の病名に興味がない(考えたくない)場合、覚えられない病名の場合がある。

(大荷物を持ってくる)
これから旅行ですか?っていうキャスター付きスーツケース、巨大なトートバッグがパンパン、レジ袋LLにいっぱいの何か、を持ってくる人って?
菓子折り(手作りでないもの)ならいつでも歓迎です。

「**病の特効薬が出たそうですね」
**大学の研究チームが〜って新聞に載った翌日辺りによく聞く話で、一定のゲームチェンジャー的な薬はあるけれども(DPP−4阻害薬とか H2拮抗薬とかPPIとか)患者が期待するような、慢性疾患が治ってしまう(ドラッグフリー)ような薬ってまず無いんだ。それは製薬会社や医療業界の利益がらみの陰謀論ではなく、現在の科学(医学)はその程度ということ。