しがない内科医の雑念

底辺医がなんか語っとる

おしっこが出ない、便が出ない

よくある訴え。


1. おしっこが出ない
外来をやってれば必ずこう言う人がいる。BPHで尿閉気味でないことを確認した後、よく聞くとおしっこの量が減っているから利尿剤をくれと言う。夏だし汗で出てるからでしょうと言っても納得してくれない。飲んでも出ない、とくる。飲んで出なければどんどん溜まって体重増えるけど?「少し増えたけど、むくんでない」ただ太っただけ? 特に高齢者の言う尿量なんて全くアテにならない感覚だからね。とりあえず利尿剤は出せないと言うと、思い通りにならない不満がやや見える。とにかく水分を飲んでくださいと言うと反応は2つに分かれ、飲んでますという人と、飲みたくないという人。飲んでるなら出るでしょう。ここで点滴とかしたら負け。その人の気が向いた時に来て点滴をねだるようになる。飲みたくないと言われると、どうしようもない。馬を水辺に連れていくことはできても、馬に水を飲ませることはできない。ただあなたは馬ではないから話が通じるはず、好き嫌いはともかくただ飲んでくれと言いたい。
#お茶やコーヒーはカフェインの利尿作用があるから水分補給には向かないという先生もいるけど、最近その説は旗色悪いね。そりゃそうでしょう、お茶しか飲めなくて脱水になったなんて人、いないでしょ?

2. 便が出ない
これまたよくある問題。水の件と同じだけど、最近便があまり出ないというのはおかしいでしょ、食べても出ないなら体重がどんどん増えるはずだが、そういうことはまずない。その前に腹部膨満だの腹痛で耐えられなくなるはず。下剤やCF適応の確認、そのための聞き取り調査が仕事の大半。
あとは毎日決まった時間に出るはずなのに出ないからおかしいという人。思った通りに排便するために下剤を希望するが、便意と排便は意識でコントロールできることじゃない。(非現実的だが)毎日同じ物を食べて同じ生活をしても、排便ペースは同じではなくて当然で、普通は体が適切にやってくれるので任せておけばよくて、便が硬いとか、何日も出なくてお腹が張るとかあれば対応します、と説明するけど、なかなかこだわりがあって難しい。そういえば大学で当直してた時、午前3時とかに頻繁に、うんちが出ないんです〜って電話かけてくるおばあちゃんがいたっけ。そういった常連さんは各病院に一人はいると思われ。