しがない内科医の雑念

底辺医がなんか語っとる

バイトの話

自分はバイトをしてない時期というのは研修医の2年間だけで、以後常に常勤先以外で週1パートをしている。大学は当然給料が安く、週1日の研究日をフルに働いても年収は額面1千万いかなかったと記憶する。その後出向した外病院でもやはり、そこはどちらかというとあまり給料を出したくなくて、研究日1日は外で稼いでいいから安月給は文句言うなって感じのところなのでもちろんバイトをした。バイト日は早朝と、時にバイト後に病棟の見回りなどして、また土日も1回は顔を出したりして、自他の指示漏れを出したりして、看護婦からは重宝がられていたが、今思うとご苦労なこった。
今は、週5〜6日も1カ所で働く気はなく、平日1日は研究日ってことにして、バイトしたりしなかったりしている。同じところにずっといられない。
バイト給料を計算すると、週1日勤をやると1日7万として42日(週)で300万程度、半日ならその半分か。常勤先の給料が安めなので、バイトは重要な収入源だけど、子供が3人いて教育費が、家のローンが、とかがないので、かつ労働意欲も衰退しているので(これが大きい)、ガツガツ働く気がしない。どんどんバイトする意味がわからない。カネ貯めて老後の安定を、ってそのために現在を犠牲にしてどうする。50代で死んでしまうかもしれないのに(知り合いでも一人くらいはそういう人が出てくる)。むしろ心に刺さる映画1本でも見たほうが意義がある(たまたま見てハズレだったりするとどうしようもないが)。加えて、会社経営などと違い、勤務医は自分が働いた時間分しか収入にならないから、“仕事を効率化して同じ労働時間で収入が倍になった“とかは基本的にはなくて(単に時給の良いバイトに変えるとかは除き。やはり主導権は雇い主で、自分がどうやっても時給が変わるものではない)、稼ぐほど税率が上がるので、勤務医(労働者)が収入を上げるために労働時間を増やすのは効率が悪い。y=√X(労働時間x、収入y)みたいなイメージ。

定期非常勤なら毎週行くけど、スポットでいろんなところに行きたくて、それで条件の良いところを探すとなると見つからない週もあって、そういう日は休みになってしまうので、下手すると週休3日という悠々自適労働っぽいけど、誇れるはずもなく、上記の理由から卑屈になるでもなくて、どっちでもいいってところが、よくわからない。どうしても目標設定(カネ、出世、社会貢献、自己研鑽)とか、良し悪しを考えてしまいがちだけどそんなの最高に曖昧な主観(あんたの勝手・個人の自由)で塞翁が馬で、客観的にみたらどっちでもよくて、自分自身主体的にどうしたいもないというのが、最も自由だし困るところでもある。
バイトについては、内科医なので外来やるのが一番それっぽいけど、見知らぬ地域で内科外来とかやってるとそのうち大物拾ってどこに送っていいかわからないのが怖い(そこのベテラン看護師に聞けばいいんだけど)。
健診は楽だけど、滅茶苦茶退屈な単純労働。ワクチンも同様。むしろ鬱になりそうなほど、考え込んでしまう。
そういうのをしに朝早く起きて見知らぬ郊外のバスに乗ってたりすると、また帰りになかなかバスが来なくて延々待ってたりすると、ほんの数万円のために何してるんだろうと思う(とはいえ他の職業の単発のアルバイトでそれだけ貰えるのってまずないから、ありがたくやるべきなのかもしれないけど)
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