しがない内科医の雑念

底辺医がなんか語っとる

寝当直の是非

基本的に当直はしないが、いつもの先生が来られない日だけ臨時でやる。現職場ほど完全な寝当直はこれまで経験したことがない。全身状態良好な少数の患者が入院しているのみ。まぁ高齢者ではあるのでごく稀にイベントが発生することはあるだろうが、自分はもちろん、他の先生もそういう経験はほぼないというから、内科のことなんか全然知らない先生もやっている。急変したらどうするのだろう?おっと、自分もろくな処置などできず、心マでもして救急車を待つくらいか。
昔の先生は、当直は当然の義務と思っている。大病院に勤めていれば、ある程度の歳になるか偉くなるまでの辛抱(管理当直という名目の隠居当直もあるし)といったところだが、地方や小病院ではエンドレスだろう。
寝当直を是とするか非とするかは医師の性格による。どこでも寝られる、寝てるだけでメシも出てきてお金も貰えるならよし、という人は医者向きだ。自分などは、1.当直でルチーンから外れる(生活パターンが崩れる)のがストレス、2.枕が変わると寝られない(もちろん枕というのは環境という意味)、3.軟禁状態がストレス(24時間も同じ場所に居られない)、4.当直料が安い(時給2000円いかない)し金に困ってない(金持ちという意味ではなく使い道がない)、5.当直するたびに「これは人生の限られた時間の切り売りだろうか、自由を安売りしてよいものだろうか、これは自分の人生に対する冒とくではないか」などと考えてしまう(今まさにそうしている)、6.(堂々と)晩酌できない。
自分のような医者には当直は向いてない。それはわかった。
ただ若干のメリットは、コインの裏面に過ぎないが、ルチーンから外れる経験ができる、孤独になることで落ち着いて考えられるし人間関係からも離れられる。実は当直でしか得られない一人の自由時間。たまたま、PCやスマホの設定などという作業があれば、これほど没頭できる時間はない。ただ
0:00頃 就寝
3:30頃 起きた。おしっこしたけど眠れない。もともと首と腰が痛いから、安物のテキトーな枕とマットレスで良いわけない。音楽を聴いてたが状況変わらず。そのうちスマホいじりはじめたら目が冴えた。
5:00 起床
結局3時間程度しか眠れず、この歳でこれは消耗する。

#たとえ確定寝当直でも、当直中に眠剤はやらないことにしている。飲んだら負けって感じ。酒は少しなら可。それによる判断力や反応性低下については十分経験がありコントロールできるため。