しがない内科医の雑念

底辺医がなんか語っとる

早期終息のためのポンピングブレーキ

日本が社会を壊さずにコロナを終息させる唯一の道
ほど遠い集団免疫、日本がとるべき現実的な対策とは
2020.5.11(月)木村 もりよ
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/60470

記事を書いたのは医師、作家。筑波大学学群卒業、米国ジョンズ・ホプキンス大学公衆衛生大学院疫学部修士課程修了ということで私の100倍は優秀でしょうから信頼性は高い。
でも自分と同じ意見であった。つまり60%の集団免疫獲得を目指し、医療崩壊を引き起こさない範囲で制限(厳しい自粛)と緩和を繰り返す作戦でいくべきであるということ。

我々(?)は少なくとも一応医者というだけで、ほぼテレビのみが情報源である一般市民と比べたら専門家と言える。ならば一般市民が「言われた通りにしっかり接触を避けてれば早期に終息する」と思っているのが明確な誤りであることがわかるだろう(参考:公正世界仮説。努力は必ず報われる、ただしそれが徒労でない限り)。特にテレビ朝日などは、先週より人出が多かった(お前らたるんどる、しっかり自粛しろ)なんて優等生のように戯言を垂れ流しているけど、これでうまくいかなかったらこんどは政府を攻撃するんだろうなぁ。この無責任ぶりはしかし、まさに多くの日本人の性根を象徴しているんだろう。移動や接触の制限や自粛は感染拡大(過ぎれば爆発)を抑制するが、同時に集団免疫獲得も遅らせる。つまり終息は遠ざかる。なるべく少ない死者で早期終息を目指すなら上記しかない。
ただTwitter(@yuji_ikegaya)で言われてたのは、じゃ約5000万人が感染するのにどれくらいかかるかということ。例えば年100万人としても50年もかかるし、年500万人でも10年。こんなに大人数が感染して医療機関は対応できるのか?となるとワクチンが開発されて(少なくとも1年後?)、それが一定数に接種されるまでは現状なのかもしれないということ。
現実的には、ある程度落ち着いていれば緊急事態宣言、現状の規制・自粛は解除してみて、適度に緩めて適度に感染し、また増えたら締めればいいかな。でもそのあたりのさじ加減を、一般市民がすんなり理解してくれるだろうか。大半の従順な日本人にはわかってもらえても、少数だが声の大きい反政府主義者(何でも反対)や過激な人命至上主義者(高齢者だろうが少数だろうが一人も死んではいけない、そのためには社会がどうなってもいい)が騒ぎ出すだろう。これには野党も含まれる。