しがない内科医の雑念

底辺医がなんか語っとる

感染防御効率

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費用対効果

外来で、また街中で、皆さん思い思いのコロナ対策をしているのを見る。私は専門家でも、また明確な意見を持っているわけでもないので、どうすべきかなどは言えないけど、どうかなと思うのはある。

ウレタンマスク、自作布マスク
マスク不足だった一時期に、何か口を覆っていれば何でもいいという空気ができてしまい、飛沫飛散効果が低いことが示されているこれらのマスクでもオッケーになってしまった。そういうの付けた人が語る感染対策って、説得力ないなぁ。

マスク2枚重ね
これも一時期、いわゆる“意識高い系”の人がやってたけど、それほど効果ないので専門家は推奨してないね。「やらないよりはマシでしょ、特にデメリットがないんだったらやった方がいいでしょ、だからやりましょう」っていうのはすごく閉じた・狭い思考に思える。

多くのことでそうだけど、何をすればどれだけ効果が得られるか、というのは図のような感じで、一定以上に頑張ってもあまり効果が得られなくなる(プラトー)。手洗いやマスク(不織布)をする、っていうのは、簡単でかなり効果が得られる(グラフの急峻な立ち上がりの部分)ので万人にお勧めするが、例えばマスク2枚+ハンカチで押さえて窓を大きく開けて車内の端っこにいる(電車でそういう人がいた)・公共交通機関を使わない・家から一歩も出ない、というのは感染防御効率の悪い(最後のは感染防御的には効果的だけど何ヶ月も家から出ないのは、普通は人生にとって大きなマイナス)対策だろう。

#普通の70代女性だったけど最近、受診以外は本当に家から何ヶ月も出てないという人がいた。仕事や、代わりに買い物をする家族と同居しているから(そうでないと暮らせないだろう)コロナから完全に逃れられるわけじゃないと、わかっているのだろうか。