しがない内科医の雑念

底辺医がなんか語っとる

野良P

珍しいことじゃないけど、年1人か2人くらい、比較的若い人で、主訴・腹痛だか胸が苦しいって来て、よく聞くと(よく聞かなくても勝手に話す人がほとんどだが)私の体調が悪いのは誰かが食べ物に毒・菌を入れているからだ、お腹に寄生虫がいて動いている、などと明らかに妄想でPちゃん(統失?)っていうことがある。
一応会話はできるが内容については合意できなそう。怒り出すと困るし、おそらく彼の話を否定して説得しても絶対に納得しないと思われるので、しばし傾聴後は次回予約なしでご帰宅願うしかない。
本来は、あなたは精神疾患が疑われるから然るべき医療機関の受診をお勧めします、と言うべきなんだろうが、病識のない人に受診を勧めても、やはり妄想の訂正同様に入らないだろうし、やっぱり逆上しそうで怖いのでできない。
結局、うちではわかりません・何もできませんで帰ってもらう、患者は期待外れで使えね〜クリニック・病院だなもう行かねえよと思い(そう思ってもらうのがこちらの目論見)また他の医療機関を受診する。こうして診断のついてない野良プシコがドクターショッピングを繰り返すことになる。