しがない内科医の雑念

底辺医がなんか語っとる

またつまらぬ物を斬ってしまった

というほどの切れ味をあいにく自分は持ち合わせていない。

バイト先では毎回「今日は特別やる気がない」と思ってた。10年以上これが続くんだから、バイトそのものを軽視していたんだろう。
最近は毎朝、最初の患者のカルテが配られると「またつまらん仕事をさせられるのか」と思う。2人、3人と続くうちに何も考えなくなる。もしくは仕事は仕事、今考えたいことは考える、というように、嫌さが心に響かなくなる。というか慣れる。
そんなに嫌だという意識はないけど、無意識に嫌がっているとしたらこの病院も長続きしないかもしれない、と思うと怖い。また辞めて転職活動しても、どうせまた条件が悪いか、入ってから悪化するような職場になるんだろう想像上の恐怖。
看護婦のカルテの置き方が気に食わない。そう思った時は、自分の心が荒(すさ)んでいるサインとして粛々と受け止める。
実際、健診なんて、特に高齢者の健診なんて意味ない。何に意味ないかというと、予後改善に寄与しない。いや例えそうであっても本人がそれで安心するならいい。いやそれで安心するような生き方そのものが間違っている。いや仕事は他人のためにすることであって、満足感を与えて、しかも金がもらえるということは社会から認められている立派な仕事だ。例え自分の脳みそを全く使わない作業で、必要なのはトーク能力だけだとしても。いや自分の臨床脳(能)を使って満足するのは医者の勝手だ。脳みそを使っても使わなくても給料はほとんど同じ。云々。といった考えの堂々巡りをしているうちに昼になる。