しがない内科医の雑念

底辺医がなんか語っとる

インフル検査・治療もできないブラック

内科医なら、自分がインフルくさい症状になったらすぐわかるだろう。正攻法なら発症後半日以降にインフル検査して陽性なら今時タミフルかイナビル。陰性でも、もしくは検査しなくても症状と時期的に強く疑えば投薬開始。そして治療と、感染予防のために自宅療養。
なんだけど、やっぱり忙しく臨床をしているとそうもいかない。

ちなみに、現在の学校保健安全法だと
①インフルエンザを発症してから5日経っていること(発熱した翌日を1日目とする)
②熱が下がってから2日経っていること
の両方を満たしてようやく出席可能となる。だから学級閉鎖も多い。
社会人の場合、出勤停止期間は法的には決まってないようだけど、病院ごとに規定はあるだろう(当院では、大雑把に言うと診断or解熱後48時間自宅療養)。が、現実的には休めない。よっぽど人が足りてるとこ以外、明日の外来や日当直の代わりなんて居ない、という場合が多い。
さらに、うるさい病院だとインフル罹患しているのに働いているのがバレると非常にまずい。患者が院内発症して感染源に疑われたらなおのこと。となると、自分ではインフルくさいなと思っても、検査・治療ができないというブラックさ。
ではどうするかというと、
1.ひた隠しにして、ロキソニンもしくは漢方で耐える
2.家族名義で受診してインフル薬を処方し自分が使う
3.他院(例えばバイト先)で検査・治療する
いずれも実例あり。医者がこんな事をするなんて、まったくこれが先進国か。もしくは、秋頃にインフル薬を処方しといて発症時に使う、っていうのも用意がいいというよりも奴隷的発想。