しがない内科医の雑念

底辺医がなんか語っとる

弱者の多くは頭が悪い

こういう言い方を公人は出来ないしテレビも無理だろう。即座に抗議が来る。
医者は頭が良いかというと、そこまでいくつもの篩(ふるい)をくぐり抜けているため、標準の知能は保証されているけど、それ以上ってわけでもないね。爺ちゃん開業医のほとんどは、数十年前の知識で止まっている、ただの爺ちゃんで、ダメだなって思う。あ、これは単に加齢には抗えないってことか。僕ら医者の知能は、全体と比較したら有意差はないだろう。東大卒の人はやはり頭の回転はいい。自分も含め三流私大出だと、あくまで自分を基準点として、頭いいな〜って奴もいれば、率直に言って悪い奴もいる。偏差値の高い大学ほど、主に知能については、多様性(ばらつき)のない集団とも言える。公立小学〜高校と、高偏差値の私立学校の違いのように。
知能が高いから正しい判断ができるかというと、そうとも限らない。正しいって何?ってのはさておき。旧日本軍はエリート集団だけど大失敗してるし。ゲームでサシで対戦したら知能の高い方が勝つけど、そもそもゲームの選び方、ゲームの目的と勝ちの定義、ルールが変えられるかとかルールの解釈とか、人生というゲームはあまりに多様なので、知能なんて人間の無数にあるパラメータの一つに過ぎない。
けれども現代はカネさえあればなんとかなる社会で、カネを得るには知能が必要、というわけで知能至上主義がまかり通っている。外来をしてると、社会的敗者っぽさが強い人がたまにいる。金がなくて安いパートとか、妖しい職業っぽい若い女。アル中だったり、身なりからして汚い独居の高齢者。橘玲も指摘している通り、こういう人たち(明確な障害のない社会的弱者)の多くは明らかに頭が悪い。IQで言うと80台後半と想像する。高齢者については、軽〜中等度にボケてるだけだから、自然な加齢変化かもしれない。つまり、格差の原因は金や性というよりも知能であり、それはほぼ生まれつきのものである。リベラルの人は、知能は誰でも基本的に等しく、あとは機会を平等にすれば努力次第でなんとかなるという理想(絵空事)が好きだけど、実際には生まれた時から知能も環境(親、家庭)も平等ではないので、格差はなくならない。それを個人の努力不足で片付けるのは残酷である。馬鹿で失敗しても好きにしてるのが幸せなのである。他人に介入しすぎないこと。
医療について言えば、判断能力の低い患者は医者が勧めるままに不要な治療もするし、もしくは必要な治療をせず代替医療に走ったりするが、その前にまず医療は何ができるのか、医療が必要な状態とは何か、どのように医療サービスを受けるか、など基本的なことから、中学校あたりで教えといてほしい。