しがない内科医の雑念

底辺医がなんか語っとる

トンデモ医学本はつづくよどこまでも

たまたま読んだ 「薬のやめ方」事典/浜 六郎 は結構キてた。ほぼ全ての医薬品を否定しているが、これで浜は医者(内科医)としてやってけるんだろうか。すべての内科医は不要、くらいの勢いである。もう「NPO法人 医薬ビジランスセンター」で食ってけるからいいのか。
もちろん血圧もコレステロールも尿酸も薬で下げない方がいいと主張する(二次予防については無意識にか巧みにかあまり言及してなかったと思う)。ではどうするかというと、眠剤に頼らずよく寝て(だから寝られない人はどうするのか)、ストレスをためず適度に運動して、っていう平凡な生活習慣アドバイスのみ。百歩譲って薬をやめられたとして、その後に残った症状に対してこの対応で、信者は納得するのだろうか。

これはもうトンデモ医学本といって過言ではなかろう。いやこの”本”をトンデモ指定しても意味はない。著者は生きてる限りこういった本を書き続けるから、”トンデモ人間”ということ。

「がんが消えた!?」トンデモ健康本はなぜ出版され続けるのかー医師の視点
ttps://news.yahoo.co.jp/byline/nakayamayujiro/20190625-00126838/

ここに解説されているように、エキセントリックな医者や大学教授(その程度のハクがないと売れない)の思いこみに編集者が乗っかって、そのネタで売れると踏めば出版されちゃう。幸い、本に書くだけなら全くのウソでも著者の評判が落ちるだけで訴訟や犯罪にはまずならないようで、そこに付けこんで、著者は(根拠に乏しい)自説を公表して善良(で無知)な市民を騙し、出版社は小銭を儲ける。読者は一時の暇つぶしに金を払い、すぐに忘れ、次のネタに飛びつく。そういう商売と娯楽がずっと続いている。

こういった事態にウェブサイトやら本(例えば「ニセ医学」に騙されないために/NATROM 。読んでないが)で注意喚起はなされているが、テレビの内容を鵜呑みにするような高齢者には通じない。いい加減、専門家を含む団体がチェック機構としてダメ出ししたらいいと思うがそんな、金にならず、そもそも話の通じない人に喧嘩を売るようなことは誰もしないだろう。