しがない内科医の雑念

底辺医がなんか語っとる

医者は保守的で封建的


長く同じ職場にいるとどうしてもそこのやり方が当たり前と思ってしまう。医療技術にせよ、人間関係にせよ。組織に不満を持つのは自分がおかしいのか職場がおかしいのか、わからない。その疑問に正しい答えはない。単純に、そこのやり方が合わないなら他へ行けばいい。幸い、地方の医局人事じゃないから転職はそう難しくない。それでも辞めて恨まれたら、そんなところは早く辞めて正解ってこと―自分を意思を持つ人間でなく単に労働力としてしか見てなかったということだから。
違う職場の人と話すと、少しずつ客観性が得られる。今でも医者の世界は封建的で上意下達(トップダウン)が基本。だが現場の若い医者にそれは通じない。研修医指導講習とか受ける(受けさせられる)とわかる。パワハラどうこうなんて、自分らが研修医の頃は指導・指示という名のパワハラが基本だったから、建前っぽく感じる。今でも50代以降の医者は完全に昔のOSで動いている。
困るのは、自分達はパワハラで育ってきたけど下を育てるために自らやる気にさせる指導(教育)を実行しなくてはならない中間管理職で、前回記事では”(無意識に)正しい指導を要求する研修医”に批判的に書いたけど、そういう事をしてゆかないと人が残らないという現実。
自分が辞めたくなるのは、病院幹部から自分への要求(患者を断らず売り上げを増やし残業せず研究で成果も出す)はトップダウンで来るけど、若い医師に対してはやる気を出させる教育を通じやはり同じ結果を出さなくてはならない、という二律背反のストレスではないか。
こういう状況に陥らないよう幹部(管理職)は職場の人間管理(マネジメント)についてよく知っておく必要がある。それがおろそかな施設は人が残らず、今後生き残りは厳しい。自己管理としては、仕事を他人に押し付けてもダメだし、自分が無理すればなんとか回る、っていうのも長続きしない。