しがない内科医の雑念

底辺医がなんか語っとる

優秀な勤務医とは

相変わらず勤務時間後2時間の会議では「確認」と称しあーだこーだどうでもいい事を言って、みんな黙って全会一致の承認ってか。内容はほぼ、病院赤字でお前ら現場がなんとかしろ、市から救急車もっと受け入れろと言われてる、ということで、病院経営は幹部の仕事なんだが、幹部は部下を叱咤することが仕事と思っているのか、経営改善プランなんて無いものだから現場部署ごとに経営改善のアイデアを出し実行し結果を出せ、と、なんか旧日本軍的な感じ。人的資源も含めたハードウェアはそのままに、ソフト(それも臨床医の作業)の改善だけで1~2割も利益(入院患者数)増えるかよ。医者に、入院患者増やせ、かつなるべく有料個室に入れろっていうのは(言ってる幹部も医者のはずだが幹部になった途端ほぼ医者ではなくなる)根本的に違っている。さてどうやって病人を増やそうか。それこそ、インフルでも流行ってくれたら助かるんじゃないかな、個室入ってくれる高回転の短期入院が増えるんだから。
自分は大学時代(の上司)の影響で、研究しろ発表しろというならわかるけど、勤務医なのにカネ儲けしろと言われてもピンとこない。例えば警察官に仕事増やせと命じるようなもので、こういう仕事は、少ない方が世の中が良いということじゃないんだろうか。病院がカネ儲けに走るということは結局のところ税金をもっと自分の懐に入れようとしていることで、国全体の富の盗り合いをしているんだけど、でも国も、各病院がそうしないと生き残れないようなシステムにしているのだから、当然の動きでもある。そういう大きなシステムの一員としてはそれに従うのもまた当然ということで、弱っている高齢者を「個室料金払わないと入院できませんよ、死にますよ」と脅してカネを取って入院させ、なるべく安い治療をして、DPCのオイシイ期間が過ぎたら「もう出てってください」と帰し、を繰り返して合法すれすれの範囲で病院の利益だけを追及するサラリーマン医師こそが優秀であると評価されるのである。
こういう人はきっと、国が戦争を始めたら粛々と他国の兵士を殺すんだろうな。「仕事ですから」と。