しがない内科医の雑念

底辺医がなんか語っとる

効率や無駄の削減を考えたら医療なんてやってられない

よくある話。神経疾患で寝たきりやボケ気味の老人、事前に相談してなくて急変とか、理解の悪い家族「できることは何でもしてください」で挿管・人工呼吸器、それが続くか、運よく抜管しても植物状態、これまでもこれからも各種抗菌薬もりもりで耐性菌うじゃうじゃ、かかった医療費は数百万じゃ済まない、けど日本では家族が支払うのはごく一部。
寝たきり一体作るくらいならその前に勝負を決めたいし、寝たきりになったとしてもDNR取ってカネかけない医療はできる。けども、どうしても上記みたいな症例は発生する。努力や技術では防ぎきれない。年に1人は必ずおかしなキャラ(+家族)と遭遇する。クレーマーか、90歳くらいでもフルコース希望してくる。話しても無駄。手間とカネをごっそり取られる。
いくら知識や技術を磨いても、医療現場にいる限り、何をしても不満を持つ患者(+家族)はいて、効率の追及や無駄の削減のための努力を粉砕してくれる。なら頑張っても仕方ないって思ってしまう。完璧を追及してはいけない。そこそこでいいや、という柔軟性。国民医療費は増える一方で日本は大丈夫か?とか、考えて無力感に浸る必要はない。
現場の医師はそういう事を考えず、大失敗しない事だけに注意して毎日やってけばいいんだ。それでも失敗したら?犬に噛まれた/交通事故に遭ったと思って酒飲んで忘れよう。