しがない内科医の雑念

底辺医がなんか語っとる

ピーターの法則

中間管理職だが、もっとエライ人の会議を垣間見ると、「現状の幹部はダメだが代替わりすれば改善するだろう」という淡い期待さえも打ち砕かれる。病院がもっと良くなる、などという期待は無駄だ。大ミスなく、最低限、給料分だけ働けばいい。患者サービス?オレの得にならない事をやる理由がない。サービスは、自分がしたいと思った分だけ無意識にしている。強要される事じゃない。

で、ピーターの法則Wikipediaより)

  1. 能力主義の階層社会では、人間は能力の極限まで出世する。したがって、有能な平(ひら)構成員は、無能な中間管理職になる。
  2. 時が経つにつれて、人間はみな出世していく。無能な平構成員は、そのまま平構成員の地位に落ち着く。また、有能な平構成員は無能な中間管理職の地位に落ち着く。その結果、各階層は、無能な人間で埋め尽くされる。
  3. その組織の仕事は、まだ出世の余地のある人間によって遂行される。

あー、これそのまんまだわ。

有能な臨床医は次第に出世し現場から離れ管理職になり、十年以上前の時代の、有能だった現場の医者感覚で普通の若い医者を管理しようとしてうまくいかない。さらに、経営なんてできるわけがない。無能な臨床医は出世しないまま下手な医療を続ける。むしろ上が居残って詰まってくると、ポストが無いので有能な中堅が出世できないまま臨床現場に残るから、良い医療が提供される。が、有能な中堅は思うだろう、なんでいつまで経っても当直や呼び出しや面倒なICをさせられるのだろう?と。そして辞めてゆくと、無残にも、無能な医者で病院が埋め尽くされる。やばいと思って大学から呼んできた人は、大学が手放すくらいだから能力は期待できない。

得意な仕事を続けたければ出世は断ろう。むしろ臨床下手な医者こそ、管理経営能力があるかもしれない(そういう人は医者の間じゃ信用されないから出世しないのだが)。